GIS(地理情報システム:Geographic Information System)とは?

人によって言い方はいろいろあります。
カーナビゲーションシステムが一般化する前は、皆さん紙の道路地図を使っていましたよね?GISとは、その紙の道路地図をデジタル化したみたいなものです。
言い換えると、「紙の道路地図をデジタル化したもの」がカーナビゲーションシステムですから、すなわちカーナビゲーションシステムはGISの一種と言えるでしょう。イラストレーター等の「お絵かきソフト」は、各図形の位置を「用紙の隅から何ミリ」で管理していますが、GISは「地球上の位置(例:緯度経度)」で管理しています。

GISは地理的なデータを地図上に表示し、それに基づいて意思決定や問題解決を支援が可能になります。

GISとイラストレーターの違い

 左側がGIS、右側がイラストレーターの表示例です。
 GISの「1」「2」「3」ですが、これは「各図形に属性を付ける」というGIS特有の機能で、イラストレーターの「各図形に名前を付ける」と雰囲気的には近いものです。
 イラストレーターの場合、ソフトウェアの目的として当然ですが「画像の美しさ」が重要です。当然ですよね。そのため、ポリゴンを塗りつぶすのにグラデーションをかけたりできます。GISでは、ポリゴンの装飾は(いささか強引ですが)「どうでも良い」のです。色は見た目だけの意味しかありません。その代わり、GISでは
・2と3の、1からの距離
・2と3の重なっている部分の形及び面積
等を重視します。
 イラストレーターには「重なっている部分の面積を求める」機能はありませんが、GISでは標準装備(基本中の基本)です。

GISの主な機能

GISは様々な分野で活用され、都市計画、環境モニタリング、災害管理、農業、ビジネス戦略の策定など、多岐にわたるアプリケーションが存在します。
また、地理的なデータをリアルタイムで可視化し、深い洞察を得るための驚くべきツールです。私はGISを利用することで、様々な業界やプロジェクトにおいて効率的かつ創造的な解決策を見つけることができます。

GISの最大の利点は、データの地理的な側面を理解する力です。地図上に情報を表示することで、地理的なパターンや相関関係を簡単に把握することができます。これにより、ビジネス戦略の策定、環境保全、災害対策など、幅広い分野で有益な意思決定が可能となります。私はGISを使って、都市計画プロジェクトにおいて地域の発展を促進するためのデータ駆動型のアプローチを提案しました。地理的なデータを活用することで、持続可能なインフラストラクチャーの構築や住民の生活品質の向上に寄与できました。

また、GISはリモートワーク環境においても非常に優れたツールであり、地理的なデータの共有や分析がオンラインで簡単に行え、チーム全体が円滑に協力できるという利点があります。これにより、地理的な制約を超えた柔軟な作業が可能となり、新しいアイデアをよりスピーディーに形にすることが可能なツールです。

当事業所の主力 GIS ソフト「ArcGIS」の拡張ソフトにあたる「Spatial Analyst」を導入


弊社では、主力GISソフトは「ArcGIS」の拡張ソフトにあたる「Spatial Analyst」を導入しています。

これは、二次元の航空写真等をもとに三次元の GIS データを生成したり、地形の特徴データ解析や密度解析・日射量解析などの機能をもちつ、GIS データ生成の省力化・低コスト化に繋がります。

河川敷内の樹林繁茂状況調査においては、技術者が航空写真等を利用して調査ポイントをリストアップし、現地に出向いて確認する。調査速度は、各河川の規模や状況にもよるが、概ね 5km/日程度である。河川の延長が20km 程度であれば 4 日間の調査となるが、100km では月単位の調査が必要になります。
それが例えば 20km(4 日間、約 32 時間)の調査を最速で 3 時間程度に収めることも写真の精度しだいで可能になる。実際には現地調査を合わせて行わなければならない場合もあるが、それを含めても従来の方法の半額程度まで見積額を抑えることが可能になり、ひいては各案件の入札に通りやすくなる効果があります。